今回はLinsoui様よりご提供いただきました、【TWISTURA WoodNote】のバランス接続のレビューとなります🎧
エージング150時間後の個人的評価となります。
【TWISTURA】からは過去に『D-Major(1DD)』『D-Minor(1DD)』『SIGMA(1DD+1BA)』等、アップグレードケーブルも発売しています。



免責事項:
本レビューではレビューサンプルとしてLinsoul様より製品をご提供いただきました。
本レビューに対して金銭のやりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響される事はありません。
以下の記載内容は個人的評価と製品の紹介となります。
🟦仕様
🔸ドライバー構成:1DD(10㎜デュアル・マグネティック&デュアル・リアチャンバー、ウッドドーム・コンポジットダイヤフラム)
🔸インピーダンス:18Ω±15%(@1kHz)
🔸周波数特性:8Hz~21KHz
🔸音圧感度:125dB/Vrms(@1kHz)
🔸コネクター:0.78㎜/2pin(イヤホン側は埋込み)
🟩ウッドドーム・コンポジットダイヤフラム
厳選された天然木繊維をプレス加工技術でドーム形状へ加工し、フレキシブルサスペンションを採用。
ウッドダイヤフラムの実力をフルに活かす為に、補助パーツまで拘り、ウッド素材特有の内部減衰特性と 堅牢性を活かした、温かみのあるナチュラルできめ細かなサウンドを実現します。
ウッド繊維素材特有の優れた振動特性と柔軟性により、一音一音が生き生きとした比類なきアコースティックサウンドと優れた解像度を実現する事で、その場に居るようなリアリティを感じる事が出来ます。
🟦付属品
🔸キャリングケース
🔸ノズル3種類
①スタンダード(ステンレス・スチール)
②インストゥルメンタル(アルミニウム合金)
③ボーカル(真鍮製)
🔸ケーブル(無酸素銅・銅合金・銀銅合金・グラフェン銅のハイブリッド構成)
🔸イヤーピース4種類(シリコン製 各 S/M/Lサイズ )
🔸プラグ(3.5㎜及び4.4㎜プラグ対応のモジュラータイプ)
🟦外観
ハウジングは、多軸CNCマシン加工によって形成された、高品質航空機グレードアルミニウム合金で設計され、優れた耐久性だけではなく、ハウジングの不要な共振を抑制する安定した音響構造お担い、澄み切ったピュアサウンドを実現しています。
キャビティの表面は、多層的で繊細な凹凸加工を施すことで滑らかな触り心地を叶え、控えめで上質な光沢を表現したキャビティデザインとなっています。
🔸ガイディングエアリリース構造
【WoodNote】の筐体構造には緻密に設計されたベントと、筐体・ユニット内部の空気圧制御する専用設計のガイディングエアリリース構造を採用。
これにより、長時間の装着による蒸れやリスニングのストレスを緩和します。


参考に同構成で金属筐体の『Zhulinniao Qingluan Z4』と大きさ・厚みを比べてみました。
写真左『WoodNote』右『Qingluan Z4』


金属筐体ですがアルミニウム合金という事で重たさは感じません。人間工学に基づいた設計により、装着感は良好で長時間の使用でも快適です。
ベント穴は2pin差込口横に1ヶ所。バックハウジング1ヶ所の計2ヶ所。
装着感 ーーー〇ー(4.6)
🟦試聴環境
DAP:SONY NW-WM1AM2
IC:k's Audio Works Ark Genesis IC V3
DAC/AMP:SOUND TIGER Pure
Cable:付属ケーブル ・NICEHCK Engr.002イヤーピース:付属イヤーピース
〈リファレンス曲〉(順不同)
・米津 玄師:KICK BACK
・Masato(coldrain):REMEMBER
・10-FEET:第ゼロ感
・YOASOBI:勇者
・King Gnu:TWILIGHT!!!
・松任谷 由実:春よ来い
・宇多田 ヒカル:Wait&See~リスク~
・SOUL’d OUT:Magenta Magenta
・hide with Spread Beaver:PINK SPIDER
・久石 譲&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団:The Legend of Ashitaka
・久石 譲&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団:The Legend of the Wind
箱出しのインプレッションは、暖色傾向でニュートラル寄りのサウンド。
音色が滑らかで、自然な空間表現が気持ち良い。
🟦サウンドインプレッション(150時間エージング後、スタンダードノズルを使用)
🔸低音域
適度な量感で過剰なブーストはなく、バランス重視のチューニングです。
しかし、クリーンでしっかりとしたパンチがあり、弾力性と拡張性に優れ、適度なリバーブが自然な雰囲気を出してくれます。
タイトでスピード感もあり、ボワつきや滲みは感じません。
🔸中音域
ボーカルはやや前に定位し、適度な厚みと透明感があります。
男性・女性ボーカル共にバランスが良く、滑らかで感情的なニュアンスがしっかり伝わります。
ボーカルと楽器の分離も良好で、ギターやピアノの音色が自然。
弦の響きや鍵盤のタッチもリアルに伝わります。
ウッドダイヤフラムの質感が、ボーカルやアコースティック楽器に温かみを加えてくれている気がします。
【WoodNote】が最も得意とする音域だと感じました。
🔸高音域
明瞭ではあるものの、明るすぎず歯擦音が抑えられたマイルドなチューニングです。
クラシックやジャズの繊細な高音表現では、十分なディテールを感じるも、過度に強調されないため長時間のリスニングに適しています。
個人的にはシンバルやハイハット等の金属的な響きに、もう少し輝きが欲しいという印象でした。
🔸音場・分離
横方向に若干広めで、奥行きもやや強調された印象です。
拡散感が強く、極端に広い音場ではありません。
楽器やボーカルの分離は良好で、リアルで自然な空間表現を感じます。
🟩他ノズルについて
インストゥルメンタル(アルミニウム合金)
楽器の分離感と高音域のディテールがやや強調され、クラシックやアコースティックに適している印象です。
変化は控えめで、劇的な期待はしない方が良いと思います。
ボーカル(真鍮製)
ボーカルが前方に定位し、中音域のテクスチャーが強調される印象です。
J-POPやバラードに最適。
【音質の評価】
低音 ーーー〇ー(4.6)
中音 ーーー〇ー(4.8)
高音 ーーー〇ー(4.4)
空間 ーーー〇ー(4.6)
【音の傾向】
低域 ーー〇ーー 高域
狭いーーー〇ー 広い
繊細 ーー〇ーー 迫力
柔 ー〇ーーー 硬
寒 ーーー〇ー 暖
※同価格帯の有線イヤホンを基準とした評価となります。
【まとめ】
ウッドダイヤフラムの採用により、独特で有機的な音色を実現し、長時間のリスニングでも疲れにくいチューニングが魅力です。
低音の量感や、高音の鮮明さを求める方には物足りない可能性があり、多ドラ(ハイブリッド等)IEMと比較すると 総合的なパフォーマンスはやや控えめに感じました。
付属ケーブルでも十分な音質ですが、リケーブルやイヤーピース等の変更で音質や空間表現の変化も楽しめます。
ポタアン等を使用したほうが【WoodNote】のポテンシャルを発揮できると思います。
リケーブルの相性としては、『NICEHCK Engr.002(6N純銀)』が個人的には気に入りました。
全帯域が引き締まり、輪郭が明瞭になりタイトに鳴らしてくれます。
高域で不足に感じていた伸びが良くなり、金属楽器に煌びやかさを与えてくれます。
気になるところは、ノズルによる音質変化が少ないところでしょうか。
さて【TWISTURA WoodNote】の感想でしたがいかがでしたでしょうか。
約2万円という価格帯で自然で温かみのあるサウンドで、コストパフォーマンス高いIEMだと思います。
木製振動板によるアコースティックな音色は非常に魅力的で唯一無二。
交換式ノズルや豊富な付属品は、価格を超えた価値があります。
お勧めのジャンルは、ロック・ポップス・アコースティック・クラシック等、中域メインのジャンルに最適な印象です。
最後にこのような機会を頂きました、Linsoul様に感謝致します。
以上になります。
長文失礼しました。